shisouhan’s blog

人間と技術との関係について、思っていることを書いています。

不気味の谷の住人

不気味の谷」という現象をご存知だろうか?人形やロボットが人間の姿に似ていくにつれて、だんだんと好感度が増していく。しかし、あまりに似すぎてくると、あるレベルで不気味さを感じる。昨月に九州大学が発表した研究では、未知への不安を抱きやすい人ほど、分類困難な対象に不気味さを感じやすいことが明らかになった。

 

不気味の谷を引き起こすのは”未知への不安”であることを解明 ―人とアンドロイドが無理なく共存する社会構築への期待―」(九州大学, 2017)

http://www.kyushu-u.ac.jp/ja/researches/view/187

 

この話題を知り合いに話したとき、非常におもしろい例を出してくれた。「外国人がカタコトで日本語を話すとカワイイけど、日本人が日本語を間違えるとなんだかムカつくよね」。なるほど。自分たちと離れているものが自分たちに似ようとすると、可愛げがある。一方で、自分たちと本来同じであるべきものが自分たちとちょっと異なっただけで、不快である。

 

これには、かなりエゴイスティックな人間らしさを感じる。何かが自分たちに似ようとすることが快であるならば、自分たちがそれよりも上位の存在であると感じているからかもしれない。一方で、自分たちとちょっと異なるだけで不快であるならば、自分たちが本来あるべき存在だと感じているからかもしれない。